原処分の全部取り消し 相続財産に不該当―国税不服審
原処分庁が、相続税の申告において課税価格に算入されていた被相続人およびその家族名義の各預貯金の口座から出金された現金ならびに課税価格に算入されていなかった家族名義の預貯金は相続財産だとして更正処分等を行ったのに対し、審査請求人らが、当該現金および預貯金は被相続人の配偶者の財産であり、相続財産に当たらないなどとして原処分の全部の取り消しを求めた。
国税不服審判所は2月15日付で、申告書に計上された預貯金口座から出金された現金ならびに配偶者名義および次男名義の預貯金は、いずれも被相続人に帰属する相続財産とは認められないとして、相続税の各更正処分および過少申告加算税の各賦課決定処分を全部取り消した。
審判所は、争点の一つである本件現金等が本件被相続人に帰属する相続財産であるか否かなどについて、現金の出金元である申告書に計上された預貯金口座で管理運用されていた預貯金の原資が特定できないことや、配偶者も収入を得ていたと認められることなどからすると、現金には被相続人および配偶者の収入が混在している可能性を否定できないとしつつも、審判所としても被相続人および配偶者の収入比率等により現金を合理的に案分することもできない、預貯金についても同様のことがいえるとした。
■参考:国税不服審判所||相続税の申告書に計上された預貯金口座から出金された現金並びに預貯金は、被相続人に帰属する相続財産とは認められないとした事例
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