正当な理由がある場合に該当 相続税申告、請求人の主張認容
審査請求人が、亡母の相続に係る相続税の申告を行ったところ、原処分庁が亡母名義の預貯金口座から出金された現金の一部が請求人以外の共同相続人に預けられていたなどとして、更正処分・過少申告加算税の賦課決定処分を行った。
請求人が、当該現金は相続税法第9条により共同相続人が贈与により取得したとみなすべきで、請求人は、申告漏れとなった財産の存在を知り得る状況にはなかったとして、国税通則法第65条《過少申告加算税》第4項に規定する「正当な理由があると認められるものがある場合」に該当するなどとして更正処分の一部取り消しと賦課決定処分の全部取り消しを求めた。
国税不服審判所は3年6月24日付で、請求人が当該家屋を申告しなかったことにつき第65条第4項に規定する正当な理由が認められると裁決した。審判所はその理由として▽相続開始前に登記上の所有者が被相続人から同人の孫に名義変更されていた▽請求人自身が関与税理士として家屋の売買に係る譲渡所得の申告を行っている▽名義変更以前から当該家屋に被相続人は居住しておらず、孫が居住していた―など。原処分庁は当該家屋について、被相続人に帰属する財産であることを把握するのは可能だったにもかかわらず、確認を怠った―と主張していた。
■参考:国税不服審判所|過少申告加算税における正当な理由を認めた事例(令和3年6月24日裁決・一部取消)
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