相続する土地が思いもよらない場所に
故人が所有していた不動産は固定資産税の納税通知書で特定する場合がほとんどです。しかし固定資産評価の低い等の理由で固定資産税がかからない土地は税金の納税通知書が来ることが無いので相続人は把握する事ができません。
代々、和歌山県で農業を営んできた0さんの父親の相続の話です。
相続人は母親とOさんを含む子供3名の計4名となります。相続財産は、預貯金・有価証券・生命保険・自宅周辺の土地で財産の総額が決まりつつありました。
手続きをすすめていく中、雑談で「父親と同世代の方でよく原野商法に引っ掛った方がいる」との話が上りました。
そのことがOさんの中で何か思い当たることがあり、もう一度、家の中を探してみると北海道と茨城県の土地の古い権利証が出てきました。登記簿謄本にて確認すると、間違いなく父親名義の土地である事が判明しました。
原野であり利用価値が無く評価も無い土地で固定資産税がかからないことから納税通知書が届いたことが無かったために、気が付きませんでした。
このまま気が付かずに遺産分割協議を終え相続手続をしてしまったら相続不動産の漏れが生じ、また手続きのやり直しをしなければならないことにもなりかねませんでした。
このように故人所有の不動産は自宅及び自宅周辺の土地だけではない場合があるので注意が必要です。
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