亡き兄の預金通帳が見当たらない!
独身で子供のいない兄が急逝し、唯一人の相続人である弟さんがその相続財産を調べたのですが、両親から引き継いだ自宅の兄の持分は確認が取れるものの、肝心な金融資産の中身が全くわからなくて困っていました。放浪癖があった兄の預金通帳等の現物が、全くわからないのです。10年前に他界している母親のまとまった預金があるはずで、漠然とした総額は2,000万円程度と理解していました。銀行の貸金庫の契約はしていないことはわかっており、郵便物にもその形跡はありません。両親の取引銀行でもあった駅前のT銀行からの満期通知等に従い、調査をすすめました。
そこで過去5年間の普通預金の入出金状況の照会を行ったところ、かなりの本数で、簡保生命の年金型配当金が入金されていることがわかり、郵便局に簡保の明細を照会すると8本の年金一括支払型の契約が判明しました。ゆうちょ銀行の通常貯金、定期貯金も照会してその総額から、母親から引き継いだ預金総額以上のものを確認できました。ゆうちょ銀行の通常貯金の入出金の動きも照会しましたが、それ以上の資金の動きは認められず、念の為近隣のメガバンク2行を調査しましたが、取引はありません。
相談員が街はずれにK信用金庫があることに気が付き、足を延ばして調査することを申述べました。弟さんは兄はそこには通帳を作っていないはず(隠蔽しようとしたわけではなく)と主張しましたが、調べてみると全く予想外なことに、K信用金庫にも普通預金口座を持ち、そこに100万円が眠っていることがわかりました。弟さんも大変喜び、相続に関わる費用を捻出できたことで非常に感謝されました。理論でなく、汗と執念というものが役立つこともあった例のひとつです。
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