基本通達に従って評価すべき 鑑定評価に合理性なし ― 審判所
審査請求人らが相続により取得した家屋と敷地について、不動産 鑑定士による鑑定評価額等に基づき相続税の申告をしたところ、原処分庁が、相続財産の価額は財産評価基本通達に基づく評価額によることが相当などとして相続税の更正処分等を行った。請求人らが、同評価額は時価を上回る違法があるとして原処分の一部取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、建物の価額は固定資産評価基準を基に基本通達に従って評価すべきであり、不動産鑑定評価額には合理性が認められないと裁決した。2月20日付。
請求人は建物について、機能的・経済的観点から市場性が全く認められないため解体除去を要し、これを前提として算定された不動産鑑定評価額が時価と主張。
審判所は鑑定評価書の問題点を指摘し、評価書に基づく請求人らの主張立証によって、基本通達の定めに従って評価した不動産の価額が時価だとの事実上の推認を覆すには至らないと判断。また、家屋の固定資産税評価額について、価額を求めるにあたり、固定資産評価基準が定める評価の方法によっては再建築費を適切に算定でき ない特別の事情または同評価基準が定める減点補正を超える減価を要する特別の事情も認められないとし、固定資産税評価額が適正な時価だと推認されるとした。
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