「正当な理由」には該当せず 相続税の期限後申告 ― 不服審
審査請求人らがした相続税の期限後申告について、原処分庁が無申告加算税の各賦課決定処分をした。請求人らが、期限内申告書を提出しなかったのは法定申告期限に被相続人の一人が受け取るべき損害賠償金の額が未確定で、全相続財産を反映した申告書を作成できなかったためであり、請求人らには国税通則法第66条《無申告加算税》第1項ただし書に規定する「正当な理由」があるとして、処分の全部取り消しを求めた事案で、国税不服審判所は29年6月15日付で「正当な理由」には該当しないとして請求を棄却した。
審判所は、納税者が相続財産の全容を把握するため種々の調査をし、情報入手の努力をした結果、法定申告期限までに財産の一部しか判明しなかったとしても、判明した部分だけで遺産に係る基礎控除額を超える場合には、納税者は判明した財産につき期限内申告書を提出しなければならないと指摘。請求人らは法定申告期限までに、相談した税理士から申告が必要な旨の説明を受け、相続した土地の価額のみで基礎控除額を超えることを認識していたのだから、申告の必要を認識していたものと認められるとし、請求人らが期限内申告書を提出しなかったことについて、ただし書に規定する「正当な理由」があるとは認められないと裁決した。
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